バッタを倒しにアフリカへ

 やっぱり「現場」で働く人はかっこいいね。

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

 

バッタへの愛情を感じる1冊

この本のタイトル。表紙写真。まったく本の内容が想像できない。怖いものみたさで読んだら面白かった。一気に読んでしまった。

簡単にいけば昆虫学者によるアフリカ現地レポートなのだが、バッタ愛はにじみ出るものの大半はバッタ研究の”過程”の話である。

単身アフリカの地でバッタ研究を行うのだが、研究の話より食事、生活、文化、まわりの人々の身の上話にけっこうなページが割かれている。その地の人にとってみればなんてことはない普通の話なのだが、私たちからすればどれも新鮮でワクワクするような体験だ。

 

もちろん話の軸は現地でのバッタ研究の目的や成果となるだが、話は脱線することが多く「現地のグルメレポート」「結婚観」「文化」など余談的な話が非常におもしろい。

 

好きなことに集中できるという幸せ

サラリーマンをしていると子供の時の夢なんていうのは、とおの昔に諦めてしまっているのだが、著者の子供からの夢をずっと追いかけるその姿は非常にかっこいい。うらやましい。

プロ野球選手の卒業アルバムの夢が「野球選手」だったみたいな感覚。

 

もちろん夢を追いかけ続けるためには、お金の問題(研究費)が非常に大きい。その困難は本を読んでもらえばわかるのだが、人の縁で崖っぷち状態から毎回助けられる。そのストーリーは爽快でちょっと笑える。(本人は全く笑えない状態であることは容易に想像できるだが。)

 

深刻な状況下においてもなんらか回避できるスキルと、事態をあまり深刻化させない著者のポジティブさと軽快な文章は素晴らしい。ちょっと文書が軽すぎるところがあるのも悲観的ストーリーにならないための著者の思いかな。

夢をあきらめたサラリーマンへ

子供が読むと夢を追いかけるのは大変だな。と思ってしまうかもしれない。逆に大人であればこの大変さは羨ましいなと感じる人が大半だろう。

 

実はこのサクセスストーリーは、著者のバッタにかける情熱に賛同した人々が大きな力になっている。

 

自分がやりたいことがあった場合、どれほどの人が賛同して協力してくれるだろうか。そのヒントがこの本にあるのではないだろうか。